前回のブログから早7年!?
皆の記録を書いておかないとと思いつつ、途中まで書いたりもしつつ、こんなにも時間が経ってしまった。
この7年の間には新しい子猫を探したり、コロナで里親カフェ等に行く事が出来なくなったり、子猫が来たりと色々あった。チビ猫達も色々とやらかしてくれて、それもブログに書かないとと思っていながらも、すっかりブログから遠のいてしまっていた。
2023年5月28日 午前6時頃、ノアは永眠した。
ノアの年齢は14歳。猫が老衰になるにはあまりにも若い。
かかりつけの動物病院の先生曰く、時々弱い個体というのがいるのだそうだ。普通に野良猫だったら生きていけずに数年で寿命を全うしてしまうような子だそうだ。ところが、不幸にして虚弱な生まれの子であっても、人間に保護されて飼われた子は延命する事が出来るのだそう。ただ生まれながらの虚弱さが変わる事は無いので、あくまでも「延命」の範囲になってしまうとか。
虚弱な子とは、病弱な子という訳では無い。
普通の猫は成長すると体重は3kgを超えるそうなのだけど、ノアは一番重い時でも2.5kg程度だった。沢山食べても、どんなに毛艶が良くなっても、体の中には充分な栄養は届かなかったのかもしない。そしてそんな子が、虚弱と言われる体質になるのかもしれない。
ノアは弱い個体とか虚弱な子では有るかもしれないけれど、全く病弱では無かった。
先住猫のチョロやクッキーは体調不良で病院にかかって、その時の血液検査で腎臓や肝臓などの病気が判明した。もっと早く血液検査の数値を確認していたら、もっと食事等気をつける事が出来たかもしれなかったのに、分かった時には血液検査の結果はかなり進行していた状態であった。そんな反省もあって、ノアは10歳を過ぎた頃から、予防接種の度に血液検査を行うようにしていた。幸いな事に検査結果は毎回問題なし。むしろかなり良かった。
だから、このまま順調に長生き出来るものだと思っていた。
2020年11月 足の感覚が弱くなる
エサ皿の横に置いた飲み水用の皿に、後ろ足を浸しながらご飯を食べている姿を目撃。カリカリを食べながら、隣に置いたウェットフードのお皿に足をいれていたり、妙な行動をし始めた。
特段不調は無さそうではあったけれど、何かの折に動物病院に行った際に相談してみた。
「年を取った猫は、後ろ足の感覚が鈍くなってくるので、これは老化ですね」
という回答だった。
老化!??? まだ11歳ですよ!???
それに後ろ足どころか前足も突っ込むようになるのに時間はかからなかった。
その後、飲み水用の皿に足を突っ込んで横断するという奇行が始まった。他の子達もそのお皿から水を飲むので、部屋の隅や入口等にもお水用のお皿を増やしたが、何故か水皿から水皿へと渡り歩いて何度も何度も足を入れて部屋中を歩き回った。お皿も普通の形のお皿だったので、お皿の縁を踏めば引っ繰り返り、各お皿の周りは新聞紙とペットシートでカバーされ、なかなか他人には見せられないような部屋になった事は言うまでも無い。
2021年夏頃 トイレを使わなくなる
1階にある猫トイレ。当時2個の猫トイレを設置していた。
猫トイレを掃除しても、なんだか臭い・・・
そんな事が続き、ある日気がついた。
猫トイレの横に謎の水たまりがある事に!
あれれ?目測を誤ってトイレの外にしちゃったのかな?
多分ノアが犯人なのだろう。アスランは普通にトイレを使っているのを見たし。
老化してきたと言われていたし、トイレの縁が越えられなかったのかな?と思い、トイレの入口の高低差を減らす工夫をしてみたり、トイレ自体に不満があるのかと更に大きなサイズのトイレに交換してみたり、トイレの数を増やしてみたり、トイレの周りをペットシートで被ってみたり、トイレを部屋の外に出してみたり・・・等々、思いつく限り様々な工夫をしていったが一向に改善無し。
しかも、トイレの横で用を足した後、3つ並んだトイレの中を横断して去って行くとか、訳分からない事をやりだした。
丁度ノアの予防接種のタイミングだったことも有り、動物病院の先生に相談をしてみた。先生の回答はまたもや老化によるものだろうとの事だった。おそらく目ももうあまりよく見えていないだろうと。
そしてこの時に初めて、「この子は長く生きられないかもしれない」と言われた。
トイレの周りに敷き詰められたペットシートの範囲は日々広がっていったものの、まぁトイレの中では無理でも、トイレの場所に行こうという気持ちはあるのだと諦めて過ごしていった。
2022年1月 オムツを使い始める
振り返ってみると、この前後からノアが顔を上げている様子が見られなかった気がする。ノアの写真を見返しても、この頃からの写真は全て目線がまっすぐ→少し下を向くに変わっていった。
1階の猫トイレ部屋(という名の物置と化した部屋)の中だけではなく、隣の風呂場や脱衣所にも粗相が進出し、とうとう2階の台所でもやらかした。
1階だけであれば、まぁ許容は出来たけれど、さすがに食事を作る場所では許容は出来ない。
幸い(?)な事にノアは高く飛び上がれない子なので、100均で柵を買ってきて広めの簡易柵を2階に作ってみるものの(1階は寒いし寂しいだろうと思って)、この柵はともかく嫌がった。
3畳程の広さを取ってノアが超えられない程度の高さ(30cm程)の柵を設置し、下一面にペットシートを敷く。その上に猫トイレと水とエサを置いたのだけど、水とエサはひっくり返し、柵に体当たりをする。100均の柵なんて、柵と簡易金具程度で止めてあるだけなので、簡単に形は変わり、引っ張られた柵で更に水とエサとにまみれたペットシートがぐしゃぐしゃに。
最後の手段として、出来れば使いたくなかった猫用オムツを装着する事にした。
飼い主の心配をよそに、全く嫌がる素振り無く受け入れてくれて助かった。
この時から、基本的に1日3回(朝、夕方、就寝前)交換するオムツ生活が始まった。
オムツは時々外れたり、すっぽ抜けたりはしたものの、飼い主のストレスは大いに軽減されたし、ノアの活動範囲を狭めなくて済んだのは良かったと思う。
当初、私達が1泊2日のキャンプ等で家を空ける際は、長時間の装着は不快だろうからとオムツを外し、1階の部屋に100均柵やダンボールでバリケードを作り、ブルーシートの上にペットシートを敷き詰めてエサと水を置いて外出していた。近くに住む弟に夜と朝に来てもらってエサと水の交換をお願いしていたが、1部屋の半分程の空間でも閉じ込められると感じるストレスのせいなのか、囲いから脱走する様になった。
囲いの中にエサや水があるので、不在時に様子を見られるようにツレがiPadを設置し、FaceTimeで自動受信出来るように設定。これで外出先からの見守りや呼びかけが可能となり、緊急時は弟に連絡を取る事にしたのだが、最初は特に問題なく自動受信してくれたFaceTimeは、次第に受信してくれなくなる事も増えてきてしまった。
最終的にはウンチを踏んだ足でエサや水の中に入るようになってしまい、こぼれたエサと水とウンチでぐしゃぐしゃになったペットシートの中にノアが寝ているという、見るも無惨なカオスな状況になってきてしまったので、外出時もオムツを装着し、部屋に閉じ込める事は止めた。(弟にはオムツ交換をレクチャーした)
今振り返って思い返せば、台所で粗相をし出した頃からノアの行動が大きく変わった。外に聞こえる程に毎日大声で鳴いていたのもこの頃からは減っていき、3階に上がってくる事も無くなり、一日中寝る事も無くなり、徘徊行動を取るようになっていった。
2022年夏 階段の上り下りが困難になる
我が家は3階建てで、基本どの部屋も猫の出入りがし易いようにしている。台所や居間のある部屋や、寝室の扉は引き戸で猫でも開けられるようにしているし、猫トイレが置いてある部屋は普段扉自体が閉まらないようにしている。
だから好きな時に好きな場所に階段を上り下りして生活していて、夏場は特に涼しい1階やお風呂場が人気スポット。ノアも暑い時期は1階に行き、冬の寒い夜は3階の寝室のオイルヒーターで暖を取っていた。ノアがいる場所で季節の移り変わりを感じていた。
そうやって自由に階段移動をしていたノアだったが、ある時から階段を踏み外した様な音が聞こえるようになった。最初は1段踏み外していったような感じだったのだが、次第に落ちる段数が増えてきた。加えて1階に下りる事はあっても、2階や3階に上ってこなくなった。1階に下りると人間が迎えに行かない限り2階には戻らない(戻れない?)。幸い階段を落ちても怪我は無かったが、次回は大怪我につながる可能性もある。もう1階のトイレに行く必要は無いので、怪我をしないように以降は2階で生活してもらう事にする。しかし、他の猫達がいるので扉を閉め切る訳にもいかなかった。
そこで再度登場するのが100均の柵。
ノアはこの高さをジャンプ出来ないので、これを2階の部屋の入口に置けば階段を転がり落ちる心配は無くなる。だがしかし、他の子達がジャンプで超える時に倒したり、気を抜いていると私達が柵を乗り越える時に転びそうになるので、最終的に2ℓのミネラルウォーター6本入りの箱を置く事にした。
重量があって安定しているので倒す心配も無いのは良いが、益々他人には見せられない部屋になった。
ところで、この頃にまたノアの予防接種と血液検査で病院に行った。
血液検査の結果は全く問題なし。逆にとても良かったが、体重はちょっと落ちて2kg位になっていた。食欲は落ちていないし、むしろよく食べているというのに、全く身にならない。
この時もまた、「この子は長くは生きられないと思います。もう数年だと思います。」と言われた。
2022年10月 新参子猫の風邪(?)流行に巻き込まれる
2022年6月に我が家に子猫が2匹やってきた。
このうち1匹がある時からくしゃみをし始めた。程なくもう1匹もクシャミを始め、続いてアスランもクシャミをするようになった。最後に、皆が治った頃に、ノアがクシャミを始めた。
様子を見ていたら食欲も無くなってきたので、ちょっと重症化する前に病院に連れて行く事になった。
今回はかかりつけの動物病院は休診日だったので、以前に行っていた病院だ。腕が悪い先生では無いのだけれど、ともかく口が重いというか説明不足な感じだったので行かなくなった病院だ。この直前に子猫達の去勢手術を自治体の助成金を利用して行った際に、提携病院として行った流れもあり、今回はこちらの病院へ行った。
ちょっとクシャミ程度とは思ってはいたけれど、食欲が落ちたというのはノアの体にとって影響は大きかったようで、病院に行った時点では1.6kgまで体重が落ちていた。
この時は血管点滴で毎朝病院に預けて夕方迎えに行くという感じだったが、なかなか改善が見られなかった。通い始めて数日後、先生の方から「インファーフェロン療法」という治療法があり、多分これが効果があるがちょっと値段が高いのでこれを行うか決めて欲しいと言われて即答。
「お願いします!」
高いといわれてちょっとビビったが、命には替えられない。高いと言っても今行っている点滴治療の数倍程度だったので安心したけれど。
これが良く効いて食欲も戻り、体重もちょっとだけ増えてくれた。それでも2kgをちょっと下回ってしまったけれど。
先生には体重を増やす為にも食事に酵素を取り入れると良いと言われて、この時から酵素をご飯に振りかけるようにした。
2022年冬 よく転ぶようになる
子猫の頃は寝てばかりで、起き上がったなと思うと方向を変えてまた寝始める子だった。ところがいつの間にか(オムツを着け始める辺りから?)、寝る時間より歩き回る時間の方が多くなってきた。
この頃はいつも頭を下げた状態で、部屋の隅やコード等が有る場所を歩き回って絡まってみたり、同じ場所をグルグルと回ってみたり。なんでこんな所に入っていくの?という場所に分け入って無理矢理乗り越えようとしてみたり、訳が分からない状態だった。
エサの上や水皿の中も、どんなに避けた場所に置いても突っ込んで行き、ウエットフードを踏んだ足で歩き回るし、ひっくり返すので、エサ皿や水皿の辺りは大判のペットシートを敷きまくった。あまり見えないはずだし、鼻もあまり効いていない感じなのに、何故場所が分かるのか不思議だった。
エサ皿や水皿は100均で犬用の底の部分が大きい物や、背の高い物に変えたりして、縁を踏んでも簡単にひっくり返らない物等に変更したりした。
また水は、一方を空けたゲート状のにしたダンボールの箱を作り、その突き当たりにお皿を置く事で水害を減らした。
お皿がひっくり返らなくなる一方で、ノアがひっくり返る様になってきた。足が弱くなってきているのも要因だとは思うが、頭の重さでバランスを失っている感じだった。ただでさえ目線が低くなってきたのに、この頃には完全に真下を向くのが標準体勢となってきていた。
ノアの食事には酵素や乳酸菌を混ぜる事が良くあるので専用の食事となっていたが、食事の前に抱いていって降ろすと、気をつけないと後ろ足を突っ張って、頭からでんぐり返しする様に転がるようになってしまった。
2023年3月頃 オムツが外れている事が増える
ここ数ヶ月は、ノアのオムツが外れている事が更に増えてきた。
SSサイズの最小オムツなのだけど、痩せてきた事もあるし、益々ややこしい隙間を歩き回ろうとするので、途中で引っかかって外れたり落ちたりするようだ。
また、オムツがちゃんと装着されていても、オムツの隙間からなのか外にこぼす事が増えた。
毎朝私達が2階の部屋に入る時は、まず臭いを嗅いで、床の様子を確認してから、注意深く足を踏み入れる様になった。この頃はノアのオシッコの臭いや色がだいぶ薄くなっていたので(時間が経つと臭ってくるが・・・)粗相しているのに気がつかなかったり、薄暗い床の色の違いに気づかなかったりして、私やツレがちょいちょいオシッコを踏んで朝から大騒動だった。
好みの排泄場所がノアにはあるらしく、TVの前、食器棚の前、ツレの椅子の下が3大人気スポットだった。時々そこには形跡が無いのに部屋が臭い時は、這いつくばってクンクンと部屋中の臭いを嗅いで探すという、他人には見せられないような格好をしていた。
発見できた時はちょっと誇らしかったのはヒミツだw
2023年4月24日 左前足がねじれた様になる
その日も部屋の中を歩き回るノアを見ていたツレが、「なんか、足を怪我してない!???」と言い出した。
よくよく見ると、ノアの左前足が↓の様に捻れたような形になっていた。
片足がこんな状態なので、ヒョコヒョコとびっこを引いて歩いていた。
かかりつけの病院が診察時間終了間際だったので、急ぎ電話をして相談してみる。
触れても特に痛がらないことから翌日の早い時間に予約を取って診察してもらう事になった。
翌日、レントゲン撮影をしてみたところ、骨に異常は無く、老化によるものという診断結果となった。いわゆる【脚気】というものらしい。
捻れている様に見えるが、人間の手で表現すると、普通手の平を床につけた状態であったものが、今回は末梢神経の栄養不足で手の甲が床についてしまっている状態になっているという。
栄養剤を与えるしか無いようで、今後はご飯にビタミン剤を入れる事になった。
おとなしく安静にしてくれていれば少しは安心できるのだけれど、この状態でも歩き回ろうとするので、自宅にあった伸縮しない包帯を巻いて簡易的なサポーターにしておいた。
朝晩栄養剤を与え始めて3日程で、以下↓写真の様にまた肉球でしっかり床を踏めるようになってくれた。
包帯サポーターは、念のためこの後更に3日程巻くようにし、以降も栄養剤を続けて補給する事で包帯も不要となった。
ところで、この時病院の先生には、「これは20歳過ぎの老猫によく有る症状です。この先異常行動が出始めたら、もう近いかもしれません。」と言われた。
異常行動・・・
もう、何が異常行動なのか分からない。かなり前からおかしな行動ばかりしているのは気のせいか?
2023年5月24日 食欲が落ち始める
脚気の症状が治まり、その後も元気にしていたノア。
いつものようにさっさと自分の食事を済ませると、他の猫のお皿に移動して次々と平らげる。我が家の4匹の猫達の中で、この頃一番食べていたのはノアだった。
どんなに食べてもその栄養はどこに行くのか、最近は栄養の行き先と思われていたフサフサな毛も減ってきた。特に尻尾の毛は本当に少なくなった。
でも元気そうで、これはまだしばらく大丈夫だねと、オムツの大量発注をした翌週の5/24の朝、ツレが「なんか今朝は食欲無さそうであまり食べなかったかも」と言ってきた。
この日は少ないながらも食事をお皿から食べていたし、夜中も部屋の中を歩き回っていたのでさほど心配はしていなかった。
2023年5月25日 起き上がれなくなる
食欲が落ちたとたん、一気に体力が落ちてしまった。
一度良くなった左前足の捻れもまた復活し、包帯サポーターをし始めた。
お皿からは食事を取らなくなってしまったので、給餌用注射器で栄養剤を混ぜた液状のウエットフードを口に運ぶ。水も飲まなくなったので、水も小型の注射器で少しずつ飲ませ、高栄養の猫用粉ミルクも与えてみる。
夜になるともう目を瞑る力も無いようで、ずっと目は開いている状態でグッタリと横になっている。
もうダメかもしれない。
この時強く実感する。
この日、一度だけ、ニャーニャーニャーニャーと4回声を出して鳴いた。
夜、ベッドには入ったものの、ノアの事が気になって寝付けなかった。朝起きたらもう居なくなっていたらどうしようとドキドキした。だから起き出してしばらくノアを膝の上に乗せ、話しかけながら夜中の2時頃まで一緒に過ごしていた。
ノアは相変わらずあまり反応は薄いけど、頭を触るとピクリと反応する耳や、かすかに動く目を見ていると、まだ生きてくれているんだと安心できた。一方でお別れしないと行けない時も近いんだと、諦めというか決心もできた。
そうこうしていると子猫2匹がやってきて、しばらくの間2匹とも空中を見つめてソワソワとしていた。
誰か来たかな?
チョロとクッキーがノアをお迎えに来てくれたのだったら嬉しいが。
2023年5月26日 点滴を受けに行く
前日は病院がお休みだったので、朝予約を取ってかかりつけの病院に行く。
他の病院だと検査とかされるかもしれないので、かかりつけの病院に行きたかった。これ以上体に負担はかけたくなかった。
血管に針を刺すとか、もうそういう痛い事はさせたくは無いけれど、脱水状態は辛いのでは無いかと皮下点滴だけはして欲しいと思った。
病院の待ち時間、キャリーの中でグッタリして、ピクリとも動かないノアを見て、順番が来るまえに死んでしまったらどうしようとドキドキした。
無事皮下点滴をしてもらい、血糖値が落ちているからとステロイド剤も入れてもらった。
先生は、「あと2~3日だと思います。もしかしたら、今夜かもしれません。」と言っていた。
温かくして、あとは血糖値を下げないように、濃い砂糖水を飲ませるようにして下さいと。ポカリスエットでも良いか聞いたら、電解質も補えるからポカリスエットの方が良いですねって。
「苦しんではいませんよ。眠るように逝くでしょう。」という一言で、少しホッとした。
点滴を受けたら、一時的に頭が持ち上がる程度には楽になったようで、家に帰ってからまたニャーニャーニャーニャーと4回鳴いた。これが最後の鳴き声となった。
この夜、今まで留守の時に世話をしてくれていた弟がお別れに会いに来てくれた。
2023年5月27日 最後の一日
朝、ドキドキしながらノアの箱の中を覗く。ノア専用に小さなホットカーペットを入れた箱だ。
もう動けないし、全く反応も無くなってしまったけれど、かすかに上下するお腹を見て胸をなで下ろす。
前日まではなんとか注射器で食事を取ってくれたけれど、この日からは全く受け付けてくれなくなった。ポカリだけは少しではあったが飲んでくれたので、こまめに少しずつ与えてみる事にした。でもそれさえも、次第に飲み込んでくれなくなってきた。こうなってくるとさすがにお別れは近いと実感せざるを得ない。
もう、どこを触ってもピクリとも反応してくれなくなっていた。呼吸をしているのは分かったが、生きている事が分かる反応はそれだけだった。
最後に、飼い主のエゴかもしれないが、ノアが好きだった事をしてあげたくなった。
足下がおぼつかなくなってから使わなくなった、以前はお昼寝時にお気に入りだった大きなふわふわのクッションの上に毛布に包んで乗せて、好きだった3階のバルコニーでの日向ぼっこをした。
・・・ところが、毛布に包んでいたせいか暑くなりすぎたのか、ちょっと呼吸が荒くなって焦った。
最後まで粗忽な飼い主でゴメンね。
日中は毛布をバスタオルに替えたり、思いつく限り快適な環境を作ってみたつもりだけど、快適に過ごせたであろうか?
この日の夜は、久しぶりに3階の寝室にクッションごと来てもらった。
ノアが寝付いてから部屋に近寄る事も無かったアスランが、この時お別れをするかのように近寄ってきて、しばらくお互いの鼻をくっつけていたのが印象的だった。
2023年5月28日早朝 眠るように逝く
朝6時少し前に目覚めた。
覚悟を決めて、ノアの様子を見た。
毛布をめくるといつものように温かいが、もう呼吸している事が確認出来なかった。
でも、抱っこしてもまだ硬直もしていなくて、ちゃんと頭を持たないと反り返ってしまう。呼吸が確認出来ない事以外は、昨日と同じだった。だからもう死んでしまったと言葉にしたくなかった。
クッションごとまた2階に移動して、オムツを外して、ペットシートの上に寝かせてあげた。この3日程はオムツは殆ど汚れていなくて交換の必要も無かったのだけれど、オムツ交換は生きている証、いつもの日常だったので欠かさず行っていたが、もう必要無くなってしまった。
苦しむ事無く、獣医の先生が言っていた通りに眠るように逝ってくれた。
チョロやクッキーの様に苦しんで苦しんでこの世を去った様子に比べると、眠るように安らかに旅立てたのは喜ばしい事だとは思う。
そう思うんだけど・・・
やっぱり別れは辛かった。
呼吸はしていないように見えたとしても、もしかしたらとどこかで思っていた。朝7時の時点でもまだ体は温かく、柔らかかったから。
でも7時半頃になると、暖かさはまだ残してはいたけれど、すっかり体は硬くなってしまった。かすかに開いた目はまだきれいな状態だったけど、さすがにもう魂は離れてしまったと受け入れるしか無かった。
お線香と花を飾って、ご飯とお水をお供えして、この日は一日私達なりのお葬式をした。まだ箱に入れる決心はつかなかったので、もう一晩クッションの上で寝てもらった。
何度見ても寝ている様にしか見えなかった。
翌早朝、ダンボールにノアを納めて庭に運んだ。
ノアの遺体は、私が一番好きな青枝垂れ(アオシダレ)の木の根元に埋めた。ふわふわの黒猫が暑い夏でも涼しい木陰で風に吹かれながら気持ちよさそうにお昼寝している情景が目に浮かんだ。
つい1週間前は普通に元気で、まだまだ生きられそうだと思っていたので40個入りのオムツを3袋も買ったのに、結局1個も使う事が無かった。
台所で粗相しても簡単に掃除出来るからと、布製のキッチンマットを塩ビ製の物に変えたばかりなのに、一度も粗相を掃除する事が無かった。
あの糞尿の悪臭に悩まされる事ももう無い。
毎朝、臭いを確認して、ノアの落とし物を怖々確認しながら足を踏み入れる心配も無い。
でもね、まだまだそんな毎日を続けたいと思っていたんだよ。
空っぽになってしまった、ノア専用のホットカーペットを入れた箱↓。
ツレはノアの痕跡をすぐに片付けたくないと、ちょっとずつ自分が片付けると言っていた。
だから、この箱もそのうち処分する事になるのだろう。
こうして少しずつ心の整理をして乗り越えてゆくのだろう。
久々にブログを書いてみて、この数日のモヤモヤとした何とも言えない悲しい気持ちを、言葉として出すことで心が慰められた。
でも、ノアは悲しい思い出ばかりを残した訳では無い。
色々記憶の底に埋もれてしまった出来事もあるけれど、これ以上忘れる前に、ノアの思い出をブログに残そうと思った。
ノアがいなくなってからひどく落ち込んでいるツレは、「あまり思い出せないんだよ」としょんぼりしていた。やはり思い出せないのは悲しい。
ノアの生涯は残念ながら長いとは言い難いものだったけれど、私達はちゃんと覚えておく為にも思い出さなければと思う。
ノアは私達と一緒にいて幸せだったと感じてくれていただろうか?
少なくとも私達は、ノアと出会えて一緒に過ごす事が出来て、とっても幸せだったよ。
ありがとう。ノア。
またいつか会おうね。
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